2019年4月1日月曜日

光陰矢の如し ⑴

 小机といえば横浜スタジアムを含めた新横浜公園で知られる場所ですが、かつては鶴見川とその周辺の水田地帯が広がる県内有数の探鳥地でした。当時の小机を代表する鳥といえばタマシギ。とにかくタマシギが見たくて当時神奈川支部から出版された”神奈川の野鳥”を便りに目指す田園地帯のポイントに向かったのは1980年代のことだったと記憶しております。運よく現地では観察を続けている”小机自然の会”の方々と出会い、いろいろお世話になりましたが、特にお弁当を分けて頂いたことは今でも忘れておりません、そして、その後も私の探鳥生活にこのグループからは多大な影響を受けることになります。
 水田にタマシギが現れると、ここで普通なら畦道沿いにスコープ、三脚が横に並んで水田を見るパターンなのですが、生長した稲の列に遮られ、一台のスコープを交代で覗くような不便な観察ではありました。しかし、タマシギのコーヒーブラウン(勝手にそう名付けさせて頂きました。)の深みのあるうなじの色は埋め合わせて余りある印象深いものがありました。実際タマシギとの出会いの記憶が、初めて小机に降りたこの日だったのか、この数年後にこのグループに私が入会した頃のことだったのか、記憶が若干曖昧なところはあります。 
 先月(2019年2月)何年振りかでJR小机駅に鳥見に出かけました。現在では水田も畑地も姿を消してしまい、当時の面影は全くといって無く、私の土地勘を消去させていました。スタジアム側から公園に入ったのですが、道に迷ってだいぶ遠回りをしてしまいました。お恥ずかしい。