2020年6月24日水曜日

コミミズクとアマツバメ


戸塚区 武山 秀一

鳥に見られたことは、ありますか?
2020年2月、手賀沼へコミミズクを探しに行った時のことです。昼過ぎから土堤で待った15時過ぎコミミズクが現れました。私は散歩に来た地元の方にスコープを覗いてもらいながら観察をしていました。1時間ほど過ぎ、まだ見ていたい気持ちを振り切って帰路につきました。コミミズクの止まっている杭がどんどん遠くなって行きます。時々、振り返りながらガッカリして駅に向かって歩いていると、急に彼が飛び立ちました。滑翔と羽ばたきを交互にして飛んでいます。しばらく、立ち止まって見ていると、なんと、こちらに飛んで来ます。真っ直ぐ飛んで来ます。30メートル程上空にさしっかっかったその時、首がくっるっと回って私と目が合いました。私を見ながら反対側の田んぼに消えて行きます。じっと観察されている様な不思議な感覚に襲われて、しばらく、たたずんでいました。
そういえば、こんな経験を昔もしたことがあります。2013年4月、相模川の座架依橋傍の川べりで30羽のアマツバメの群れに出会った時でした。曇り空の15時30分ごろ下流から何かの群れが近づいて来ます。川面を採食しながら飛び交い近づいて来ます。座り込んで観察しているその時、1羽のアマツバメが近づいてきました。勢い付いて飛んで来たのでしょうか。10メートル、5メートル、3メートル、その瞬間、同じように私と目が合いました。ほんの一瞬、私を確かに観察して行ったのです。風を斬る羽音を残して群れは静かに下流へ戻ってから上空に舞い上がり消えて行きました。
野鳥観察は、時に鳥との対話時間をもたらしてくれます。写真の様に瞬間は残りませんが、心の奥にいつも不思議な感覚を残してくれます。私の心に形のない宝物を残してくれるのです。